ごきげんよう、かいです。
今回は、もう何本購入したのかわからないほど私が多用している「ハッカ油」を紹介させてください!
ハッカ油とは
ハッカ油は、シソ科ハッカ属に分類されるハーブから抽出された天然の精油で、清涼感があり、爽やかな香りが特徴です。ハッカ油には、虫除けや感染症対策、花粉症対策などに効果があるとされています。
虫除け効果
ハッカ油には、シトロネルやゲラニオールなどの成分が含まれており、蚊やハエ、ノミ、ダニ、シラミなどの虫を寄せ付けない効果があります。
使用例
- 網戸に直接吹きかける
- 衣服や帽子、布製の靴に直接吹きかける
- 水で薄めたハッカ水(自家製虫除けスプレー)を直接体に吹きかける
抗菌・抗ウイルス効果
ハッカ油には、メントールやカンフェンなどの成分が含まれていて、これらは抗菌効果や抗ウイルス効果があります。油の成分がウイルスを抑制する効果があるとされています。そのため、ハッカ油を加えた手洗い石鹸やうがい薬を使用することで、インフルエンザや風邪の予防に役立つことができます。
使用例
- 加湿器に入れる
- ハッカ水の蒸気を吸入する
- 洗濯時に加える
- 浴槽に加える
- 靴の内側に直接吹きかける
- マスクに吹きかける
- ハッカ水を飲む
消臭・リラックス・清涼効果
ハッカ油に含まれるメンタールは、嫌な臭いを消す作用を持っています。例えば、汗やタバコの臭い、ペットの匂いなどを押し込む効果が期待できます。
ハッカ油の爽やかな香りは、ストレスを解消し、心身をリフレッシュさせる効果があります。また、マッサージオイルに加える事で、肩こりや疲労回復にも役立ちます。
ハッカ油に含まれるメンタールは、肌を冷やし、爽快感を与えます。 特に夏場には、清涼感を感じさせる入浴剤やボディローションとして使用することで、疲れを癒すことができます。
使用例
- マッサージオイルに加える
- ワセリンに混ぜ、肩や首、腰など疲労部分に塗る。
- ワセリンに混ぜ、頬や額、鼻の下に塗る(睡魔除け、酔い止め)
- お風呂に入れる
- 肌着やシャツなどに吹きかける
抗炎症・抗アレルギー効果
ハッカ油には、抗炎症効果があり、アレルギー反応を起こしやすい鼻や目の症状を緩和する効果があります。そのため、ハッカ油を含む花粉症対策グッズを使用することで、花粉症の症状を軽減することができます。
使用例
- ハッカ水でうがいをする
- ティッシュペーパーなどに垂らし、鼻に近づけたりする
ハッカ油の注意点
ハッカ油は、自然由来の成分であり、安全性が高いことも特徴の一つです。しかし、効果が強すぎるため、使用には注意が必要です。
- ハッカ油は刺激が強いので、肌に直接塗る場合は敏感肌やアレルギー体質の人はパッチテストをしてから使用する。
- 目や粘膜の周りは避けて使用する。万が一目に入った場合は流水で洗い流す。
- 原液のまま飲んだりしない。食品添加物として認められているものは、マウスウォッシュや飲料などに少量加えることができる。
- ポリスチレン素材を溶かす性質があるので、スプレーボトルや容器はガラス製やアルコール液対応のものを選ぶ。
- 猫はハッカ油に含まれる成分を分解できず中毒症状を引き起こすことがあるので、猫を飼っている場合はハッカ油を使用しない。
ハッカ油を使用する際は、注意点を確認し、適切に使用することが大切です。また、使用前には必ずラベルを読み、製造元の指示に従ってください。
パッチテスト
前腕または上腕の内側など異常のない皮膚に極少量のハッカ油を塗布します。
24〜48時間後にその部位の肌の状態を確認することで、アレルギー反応の有無を判断します。
塗布した部分に赤み・かゆみ・みずぶくれなどの反応がないか、肌状態をチェックします。
反応がある場合は使用を中止しましょう。
ハッカ油に関する研究結果
- ハッカ油とカルバゾクロムに『歯周組織再生』の基盤となる歯根膜線維芽細胞の増殖促進効果を発見。ロート製薬株式会社が行った研究で、ハッカ油が歯根膜線維芽細胞の増殖を促進すること、カルバゾクロムが歯根膜線維芽細胞におけるコラーゲン合成を促進することを明らかにした。これらの成分は、歯周組織再生に必要な歯根膜の形成に寄与する可能性があると考えられる。
- ハッカ油の抗菌作用に関する研究。ハッカ油の主成分であるメントールには、口腔内や咽喉部の細菌に対する抗菌作用があることが報告されている。また、ハッカ油は口臭や歯周病の原因となるプラークや歯垢の付着を防ぐ効果もあるとされる。
- ハッカ油の消化器系への効果に関する研究。ハッカ油は古代から消化器系や呼吸器系の疾患の治療に用いられてきた。ハッカ油に含まれるセイヨウハッカ油は、過敏性腸症候群(IBS)の補完代替医療として有用であることが報告されている。セイヨウハッカ油は、腸管平滑筋を弛緩させて腸内圧を低下させ、IBS患者の腹部不快感や便通異常を改善する効果があると考えられる。
ハッカ油の成分
成分 | 割合 | 効果 |
---|---|---|
l-メントール | 30.0%以上¹ 50.0%以上² | 清涼感、鎮痛、抗菌、健胃、血管収縮など |
l-メントン | 不明 | 清涼感、鎮痛、抗菌など |
l-リモネン | 不明 | 芳香、抗菌、溶解など |
ピネン(α-ピネン、β-ピネン) | 不明 | 芳香、抗菌、抗炎症など |
3-オクタノール | 不明 | 芳香、抗菌など |
l-イソメントン | 不明 | 清涼感、鎮痛など |
l-ネオメントール | 不明 | 清涼感、鎮痛など |
ピペリトン | 不明 | 清涼感、鎮痛など |
d-プレゴン | 不明 | 清涼感、鎮痛など |
メントフラン | 不明 | 清涼感、鎮痛など |
l-メンチルアセテート | 不明 | 芳香、清涼感など |
シネオール(1,8-シネオール) | 不明 | 芳香、抗菌、消炎など |
¹: 「 ハッカ油 」『 第十八改正日本薬局方 』 厚生労働省
²: 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課「 医薬部外品原料規格2021 」 厚生労働省
ハッカ油の歴史
ハッカ油の歴史は古く、約3500年前に古代ギリシャで生薬として利用されていたと言われています。その後、ヨーロッパや中東、中国などで広まり、消化器系や呼吸器系の疾患の治療に用いられました。
日本には約2000年以上前に中国から伝わりましたが、当初は山菜や薬草としてしか使われませんでした。本格的なハッカ油の製造は明治時代に始まり、北海道の北見地方が主産地となりました。北見ハッカは開拓と共に発展し、昭和14年には作付け面積2万ヘクタール、ハッカ結晶とハッカ油合わせて336トンを輸出するまでになりました。
しかし、第二次世界大戦後は合成メントールの普及や国際競争の激化などで衰退しました。現在では北見ハッカの作付け面積は約100ヘクタールに減少し、国内需要も減少傾向にあります。しかし、天然ハッカ油の品質や効能は高く評価されており、今後も研究や開発が進められています。
ハッカ油の効果的な使い方
ハッカ油は虫除けに効果があると言われています。ハッカ油に含まれるメントールやカルボンなどの成分が、蚊やブユ、アブなどの虫を嫌がらせるからです。ハッカ油スプレーを肌やテント、網戸に吹きかけたり、ハッカ油を垂らした小皿を置いたりすると、虫を寄せ付けない効果が期待できます。ただし、ハッカ油は殺虫効果はなく、香りが薄れると虫が再び現れる可能性があるので注意が必要です。また、ハッカ油は肌や粘膜に刺激を与えたり、ポリスチレンを溶かしたりする性質があるので、使用時には濃度や材質に気をつける必要があります。
薄荷スプレーの作り方
材料
- 精油(ペパーミントかハッカ油):10~15滴
- 水:100ml
- アルコール(無水エタノール):適量(任意)
作り方
- スプレーボトルに水を入れます。
- 精油を加えます。
- もし、アルコールを加える場合は、1~2滴加えます。
- スプレーボトルをゆっくりと振り、よく混ぜ合わせます。
使用時はよく振り混ぜましょう。
使用する際は、目や粘膜の周りを避けて吹きかけましょう。
ハッカ油はポリスチレン素材を溶かす性質があるので、スプレーボトルはアルコール液対応のものやガラス製のものを選びましょう。また、猫はハッカ油に含まれる成分を分解できず中毒症状を引き起こすことがあるので、猫を飼っている場合はハッカ油を使用しないでください。
薄荷マウスウォッシュ
コップにハッカ油を一滴入れ、ぬるま湯または水を加えるだけ。
ハッカ油には虫除け効果以外にも、消臭・抗菌・リフレッシュ・鎮痛などの効果があります。口臭予防やインフルエンザなどの感染症予防にもなります。
もっと詳しく!薄荷を知る
厳密にいうと「ハッカ」はミントの品種のひとつで、日本で自生している和種ハッカのことです。ミントは、「ペパーミント(和名:西洋薄荷)系」と「スペアミント(和名:緑薄荷)系」に大別されます。
ペパーミント系
- 香りが強い。気分をリフレッシュさせるようなスッキリした香り。
- メントールの含有量も多い
- ハーブティーや料理のほか、チューインガムやキャンディに多く用いられる。
和種薄荷(わしゅはっか)はここに含まれる。
スペアミント系
- 香りは比較的弱い。甘くさわやかな香り。香りの主体はl-カルボン
- 葉は丸みがある。
- 比較的クセがないため、料理や菓子に使いやすい。
- チューインガム、歯磨き粉などにも用いられる。
- 日本には江戸時代にオランダハッカが渡来した。
栽培時の注意事項
ミントは非常に生命力が強く育てやすいが、すぐに手に負えないほど生い茂り木化するため、鉢植えが無難。地植えしたいなら、匍匐性のペニーロイヤルミント(和名:目草薄荷)、コルシカミント(Mentha requienii)をおすすめします。虫除けも兼ねたミントのグランドカバーは踏むと爽やかな香りに癒されます。
万能薄荷スプレーを生のミントで作ろう
生のミントの葉を煮出して液を濾し、無水エタノールと混ぜてスプレーボトルに入れる。
万能薄荷スプレーは、虫除けや消臭、清涼感やリフレッシュ効果などに使えます。マスクやお風呂、料理やお菓子などにも活用できます。生のミントは飾りやカクテルなどにも使えますが、乾燥させた方が日持ちしやすく、ハーブティーなどにも向いています。
メントールについて
ハッカ油に含まれるメントールは、環式モノテルペンという種類のアルコールの一種です。無色の針状結晶で、エタノールや油類に可溶、水に難溶です。昇華性があり、室温で徐々に気化します。メントールは揮発性が高いため、香りの最初の印象を強くするトップノートとして分類されます。
メントールは、食品や医薬品などにも多用されています。食品では、清涼感と香りを付けるためにチューインガムやキャンディなどに使われています。医薬品では、かゆみを止める鎮痒薬や痔疾患の外用治療薬などに使われています。また、メントールは鎮痛作用や血管拡張作用も持っています。
メントールは、皮膚に塗ると冷たい感覚を与えます。これは、温度感受性のイオンチャネルという受容体を刺激することで起こります。この受容体は、8-28℃の冷刺激やメントールに反応して冷感を引き起こします。この効果は、シクロデキストリンという物質でメントールを包むことで持続させることができます。
まとめ
今回は、ハッカ油の効果と使い方についてご紹介しました。「薄荷は万病に効く」という言葉は、薄荷が古くから様々な病気に用いられてきたことから生まれたと考えられます。薄荷は、中国での漢名「薄荷」を音読みにして名付けられたもので、中国では紀元前から薬用や香料として利用されていました。
ハッカ油は入手が容易な万能薬です。用法用量を守って正しくお使いください。
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